文化財の調査研究及び保護思想の普及
埋蔵文化財の発掘調査による遺構・遺物の保存と活用をはかり、調査報告書の刊行や現地説明会・遺跡報告会など、調査成果の一般公開を通して、文化財の保護思想の普及に努めています。
文化財の調査研究
文化財の調査研究は、主に埋蔵文化財(遺跡)の発掘調査・整理・報告書作成によって行われます。道路工事や各種造成工事等により破壊されてしまうおそれがある埋蔵文化財を、文化財保護法に基づいて試掘調査や発掘調査(本調査)を行い、遺構及び遺物の記録、遺物の洗浄・分類・復元等の整理作業及び将来にわたる収納保存作業を行い、報告書としてその成果をまとめ、記録保存して活用をはかっています。
また、重要遺跡等の報告書については、研究者や歴史愛好家からの要望に基づき原価にて頒布し、発掘調査報告書の内容を広く一般に周知するため、報告書等の頒布図書案内を掲載しています。さらに、調査遺跡の成果資料及び全国の埋蔵文化財関係資料の収集・整理を行い、広く一般に閲覧できる機会を提供し、一般公開、展示等を行っています。
文化財の保護思想の普及
歴史的、考古学的に貴重な遺構や遺物が出土した遺跡の場合は、遺跡の調査結果を広く一般市民に知ってもらうため、現地説明会を開催します。あわせて遺跡調査結果の概要を取りまとめた冊子「文化財ニュースいわき」を刊行し、現地説明会参加者に配布しています。
前年度にいわき市で発掘調査された遺跡の調査結果を、いわき市考古資料館の企画展「発掘速報展」でいちはやく公開・展示します。また、一般市民の文化財保護思想の普及を図るため、発掘調査の担当職員が遺跡の調査結果を映像や資料を用いて説明する遺跡報告会をいわき市考古資料館において開催しています。
事業団では、次世代を担う子どもたちに、地域の文化財への関心を持たせ、郷土を誇れる心の醸成を図るため、いわき市内の小・中学校に埋蔵文化財の専門職員(研究員)を派遣し、教科書には出てこない身近な「いわきの歴史」についてのお話をします。また、調査・研究に基づいた「いわきの歴史」を広く知ってもらうため、公民館や各種団体等が主催する各種教養講座に、埋蔵文化財の専門職員(研究員)を講師として派遣する事業を行っています。