公益財団法人いわき市教育文化事業団の概要

外観

 公益財団法人いわき市教育文化事業団は、昭和53年に設立以来、いわき市の教育文化の振興に大きく貢献してきた歴史ある財団です。
 発足当初は、埋蔵文化財の発掘調査と市史編さん(H6.6事業終了)が主な事業でしたが、昭和63年にいわき市音楽館(H19.3閉館)の管理運営を受託し、初めて市の施設の管理運営に携わりました。その後、平成4年に「いわき市アンモナイトセンター」、平成9年に「いわき市考古資料館」、翌平成10年には「いわき市立草野心平記念文学館」、さらに平成11年には「いわき市暮らしの伝承郷」と続き、平成14年には「いわき市生涯学習プラザ」、翌平成15年には「いわき市草野心平生家」など、新設される市の教育文化施設の管理運営を逐次追加受託してまいりました。東日本大震災後の平成23年11月には「福島県いわき海浜自然の家」の管理運営を受託し、平成27年4月からは、「いわき市勿来勤労青少年ホーム」(H31.3閉館)の管理運営を受託しました。また、平成30年4月から「いわき市勿来関文学歴史館」の管理運営を受託しました。
 埋蔵文化財の発掘調査及び研究事業は、市・県民の貴重な共有財産である文化財の発掘調査成果を公開し、広く一般に文化財保護思想の普及を図ることを目的としています。発掘調査は、市内及び県内市町村からの依頼により、国・県・市町村及び民間開発事業者との委託契約に基づき、発掘された竪穴住居や土器などの記録・整理・収納・保存を行い、発掘調査成果をまとめた報告書を作成し、広く公開しています。
 また、教育文化施設や社会教育・生涯学習施設の管理運営事業は、広く市・県民の教育文化の振興及び社会教育・生涯学習の推進に寄与する事業を展開しています。ほかには、調査報告書の一部を増刷頒布する出版事業や公民館事業等への講師派遣などの普及活用事業を実施しております。
 このように、埋蔵文化財の発掘調査研究を精力的に務めるほか、県や市の教育文化、生涯学習施設8施設の指定管理者として、教育文化行政の一翼を担っております。このような経緯から、平成26年4月1日から公益財団法人へ移行いたしました。
 今後は、これまで以上に、広く教育文化の振興に寄与する事業をおこなう団体として、市民さらには県民の負託に応えてまいります。

文化財の調査研究及び保護思想の普及

  文化財の調査研究は主に埋蔵文化財(遺跡)の発掘調査・整理・報告書作成によって行われます。
 道路工事や各種造成工事等により破壊されてしまうおそれがある埋蔵文化財を、文化財保護法に基づいて試掘調査や発掘調査(本調査)を行い、遺構及び遺物の記録、遺物の洗浄・分類・復元等の整理作業及び将来にわたる収納保存作業を行い、報告書としてその成果をまとめ、記録保存して活用をはかっています。
 また、重要遺跡等の報告書については、研究者や歴史愛好家からの要望に基づき原価にて頒布し、発掘調査報告書の内容を広く一般に周知するため、いわき市考古資料館のホームページに報告書等の頒布図書案内を掲載しています。
 調査遺跡の成果資料及び全国の埋蔵文化財関係資料の収集・整理を行い、いわき市考古資料館に提供することにより、広く一般に閲覧できる機会を提供し、一般公開、展示等を行っています。
 歴史的、考古学的に貴重な遺構や遺物が出土した遺跡の場合は、遺跡の調査結果を広く一般市民に知ってもらうため、現地説明会を開催します。あわせて遺跡調査結果の概要を取りまとめた冊子「文化財ニュースいわき」を刊行し、現地説明会参加者に無償で配布しています。
 前年度にいわき市で発掘調査された遺跡の調査結果を、いわき市考古資料館の企画展「発掘速報展」でいちはやく公開・展示するほか、企画展にあわせ、一般市民の文化財保護思想の普及を図るため、発掘調査の担当職員が遺跡の調査結果を映像や資料を用いて説明する遺跡解説会を同館において開催しています。
 広く一般に周知するため、当財団のホームページへの掲載、いわき市考古資料館の企画展ポスターに講演会情報の掲載・配布及びいわき市考古資料館の年間行事予定に掲載しています。
 次世代を担う子どもたちに、地域の文化財への関心を持たせ、郷土を誇れる心の醸成を図るため、いわき市内の小・中学校に埋蔵文化財の専門職員(研究員)を派遣し、教科書には出てこない身近な「いわきの歴史」についての授業を行い、調査・研究に基づいた「いわきの歴史」を広く知ってもらうため、公民館や各種団体等が主催する各種教養講座に、埋蔵文化財の専門職員(研究員)を講師として派遣する事業を行っています。

教育文化の振興

 教育文化等の施設の管理運営をとおして、広く一般市民の教育文化の振興及び社会教育、生涯学習の推進に寄与することを目的としています。
 各施設の運営は、当財団の教員免許資格保有者、学芸員、社会教育主事等の有資格者が中心となって行っており、学校教育、社会教育、生涯学習などの幅広い分野について、独自に企画立案した事業を行っています。いわき市から指定管理者としての指定を受けている7施設について、教育文化の振興を目的に取り組んでいます。
 いわき市では、「地域に根ざした市民文化の継承と創造」が教育委員会の重点施策の中に位置づけられており、その具現に向け、いわき市が設置した7施設について、当財団が指定管理者の指定を受け、管理運営を行っています。また、職員研修制度を創設し、個人研修や図書購入を補助する等、個々の専門性の向上に努めており、接遇研修やホームページ作成研修等を開催し、それぞれ質の向上に努めています。

社会教育と生涯学習の推進

 いわき市では、「生涯学習を通じた学習活動の推進」が教育委員会のもう一つの重点施策に位置づけられています。生涯学習の拠点施設として、いわき市から生涯学習プラザの指定管理を受け、市民の生涯学習を応援しています。
 福島県では、恵まれた自然環境の中で、集団宿泊体験活動等を行うことにより、健全な青少年を育成させるとともに、県民に体験活動の場を提供することを目的に、県内3か所に自然の家を開所させており、その一つである福島県いわき海浜自然の家について、当財団が指定管理者の指定を受け、青少年の健全な育成及び生涯学習の推進のため、管理運営を行っています。
 また、管理運営に関する企画、調整のために外部有識者及び地域住民・施設利用団体の代表等で構成する運営委員会又は利用者懇談会、事業懇談会を設置し、定期的に開催して議論いただき、その内容を管理運営に反映させています。

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